橋の下の子

小さい頃いたずらをするとよく
「あなたは橋の下に捨てられてたのを拾ってきたのよ」と
言われた。
学校に言って”親にそう言われた・・・”ことを話したら、
「あたしも〜」「私もそう言われた〜」って子がいっぱいいた。
その年はいっぱい赤ちゃんがすてられたんだねぇ・・(>_<))
当時は、橋の下に浮浪者がたくさんいたから、
そんなことを言うようになったんだろうか。

それから首都高速が通るようになって、
橋も立派になった。
もちろん赤ちゃんも捨てられたりしていない。

久しぶりに多摩川の土手を散歩した。
小さい頃は遊ぶのはいつも多摩川の川原だった。
向こう岸に東京大田区が見えて、
羽田飛行場の発着も見ることができた。
”大人になったら私もこの橋を渡って、
”OLさんってやつになるんだ”と思っていた。(^^)

母が小さな茶碗を出してきた。
「記念に持って行きなさいよ」
どうやら、子供のときに私が使っていたお茶碗らしい。
少し模様に見覚えがあるけど、
今まで一度もそんなことを話したことはなかった。
そういうものが保存されてるとも知らなかった・・。
どこも欠けてない、ピカピカの状態。


「食が細くてこれに半分入れても残したっけ・・」と母が言った。
夫が「今は山盛り入れても足りないみたいです」と・・・。
全員で爆笑してる。
いいよ、いいよ、笑いなさいってば。(-_-;)
「橋の下で拾った子なのに、随分大事に育てていただいて、
ありがとうございましたねぇ」と言ったら、
ふたたび 笑いが起きた。

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