***ねこちん第10話  里親さがし***
***平成13年のお話***

ねこちんTOPへ戻る

はじめにお断りしておきたい・・・我が家は里親さがしをしている家ではない。
インターネットで見たから・・・と我が家の前に仔猫を置いていくなんてこと・・・はないと思うけど。
だいたい猫を飼ったら、増やすつもりがないなら避妊去勢手術をするのは常識。
仔猫がたくさん生まれてしまってから「どうしよう・・・」なんて人間の勝手だといつも腹立たしく思う。
多ければ一年で20匹も仔猫を産む猫だっているんだから。
我が家の猫ちゃんは男の子だから・・・と去勢手術をしない飼い主さんもいる。
そのせいで、どこかで野良ちゃんの子供がたくさん誕生してるんだと自覚してもらいたい。
まだ眼の見えない野良ちゃんの子供は交通事故などで亡くなることが多いそうだ。
これ以上不幸な猫ちゃんを増やさないためにも、しっかりしようよ!人間!!
そんな私だが、やむにやまれず一度だけ
里親探しを引き受けたことがある。
友人が大怪我をした猫を保護した。
年齢は不明だが女の子だ。
ミーちゃんと名前をつけた。
腰から下が曲がってしまっている・・・
たぶん交通事故にあったのだろう。
猫の生命力もすごいものだが、彼女もよく面倒をみて、
ちょっと見ではわからないくらいに治してしまった。
ほとんど怪我も治り、家の中をチョコチョコとしだしたと思ったら、パッと窓から出てしまった。
あんな体で、どこへいったのだろう・・・と彼女もかなり探したようだが見つからなかった。

3日後に帰ってきた。
しばらくすると何と!!おなかが大きくなってきた・・・!
どんな体になっても「子孫を残す」という、動物の本能というんだろうか・・・
すごい執念のようなものを感じた。
腰がダメだからきっと産めないと思う・・・と彼女は言っていたが、
順調に(?)おなかは大きくなっていった。


そして自宅でお産をさせた。
彼女は見事にお産婆さんをやってのけた。
5匹のかわいい猫ちゃんたちが誕生した・・・
知らせを聞いて飛んでいった。
母親になったミーちゃんも元気だ!
それにしてもミーちゃんも彼女もすごいもんだ・・・と感動してしまった

母親のおっぱいをみんな一所懸命吸っている。
「すごいなぁ」「がんばったなぁ」
私は里親探しを引き受けることにした。
みんな器量もいいし病気もないようだ。

きっと大事にしてくれるお家が見つかるよ!
我が家に連れてきて1匹ずつ写真を撮る。
生徒さんも集まってくれた
わ〜、みんな器量よしだね。
この黒いのはふーちゃんの仔猫時代にそっくりだ
この猫ちゃんは毛色がちょっとめずらしいね・・・
○○さんちはどうだろ・・・猫飼いたいって言ってたよね
あら!ちゃんとおしっこしたらお砂かけてるわ
トイレのしつけも万全だ・・


チャミという茶色の仔猫を彼女の手元に残し、
あとの4猫ちゃんはそれぞれのお宅にもらわれて行った。
みんな大事にしてもらって幸せだ。

(左からY宅のミミちゃん、I宅のミューくん、A宅のジジくん
下はT宅のレイくん)
今では立派な成猫になった。
彼女の家にはミーちゃんとチャミの母娘が仲良く暮らしている。

猫はどんな猫もかわいい。
けれど飼うには相当の覚悟と少しの知識が必要だ・・・
私たちはそう実感している。
人間の無知と無責任でこれ以上不幸な猫ちゃんを増やしてはいけない。

すべての猫ちゃんたちが今日も、明日も、
これからも幸せでありますように・・・ (Himawari)