***ねこちん第2話  キラキラ光るもの***
***平成3年のお話***

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千葉にマンションを購入したため、引っ越すことになった。ミュウとお別れ・・・。
いろんなことが思い出される。
私がトイレに入ると、物陰に隠れていて、出てきた私をおどかしてみたり、
かくれんぼが大好きな猫だった。
千葉に連れて行こうかとも思ったが、
「猫は家につく」という言葉通り家の近所にはミュウのテリトリーがあるらしく、
「やっぱりここにいたほうが幸せだろう」と母や弟にお願いした。
千葉に来て2年は「動物飼育禁止」を守ってじっと我慢していたが、
「ミュウの妹が生まれた」と聞いて、我慢できなくなってしまった・・・。
ミュウを生んだ母親がまた仔猫を産んだ。
三毛猫がいるというので「ほしい」と言ったら
夫が「ティッシュの箱」に入れて連れて帰ってきてくれた。
「ち、ちっちゃいぃ」会った瞬間に「なっちゃん!」と呼びたくなった。
そんな顔をしていた。
ミュウと4歳違いの妹・・・今度は間違いなく女の子
「なつ」と命名した。
なっちゃんのフワフワとした毛の先にキラキラするものがたくさん付いていた。
それは何だかわからないけど「きれいだな」と思っていた。

夫は「会社の生地倉庫で産まれたからきっと芯の糊だろう」と言った。(夫は婦人服メーカーに勤めている)
しかし、それは明らかに芯の糊ではないような気がした。
だって手で落とそうと思ってもまったく落ちないほどの力でこびり付いていたから。
動物病院へ連れて行くと先生は「いやぁ、初めて見ますが、これは・・・」
顕微鏡を何度も覗いて言った「ノミの卵です」「ノミのた、たまご???」


卵から成虫になるまでにどのくらいかかるのか・・・はわからないが
「とにかく早いとこ退治しないと・・・」
まずなっちゃんの毛先を(かわいそうだけど)カットしてあのキラキラをすべて落とした。
しかしそうしてる間にも幼虫になってしまったのがいっぱいいて、
あっという間になっちゃんの毛を占領してしまった(-_-メ) 
ひざの上になっちゃんをのせて、私の片方の手にセロテープを巻きつける。
そして幼虫をゲットしたらセロテープにピタっと貼り付ける。
こうして1日に何十匹もとった。
お風呂に入れても幼虫はあまりに小さくて毛の間に入り込んでまったく効果がない。
ノミとり首輪もだめだった。1匹、1匹ととる以外ない・・・。
仕事もせずただひたすらセロテープにペタッ、ペタッととり続けた。
その甲斐あって幼虫はほとんどいなくなった。
少し成虫になってしまったものもあったが、
なっちゃんもちょっと大きくなったので、首の後ろに刺して使用する
ノミとりの薬を購入してみたところ、とてもよく効いた。

あれ以来、1匹もノミをみたことがない。