***ねこちん第4話  なっちゃんのストレス***
***平成6年〜7年のお話***

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動物病院の先生が言われたとおりふゆひこくんの回虫、サナダ虫はしばらく治らなかった。
よくなったかなと思うとまた虫が混じっている。
3ヶ月くらいはかかる・・・というのは確かにその通りだった。
それでも大人になるにつれ虫はいなくなり、男の子らしいガッチリした体になっていった。
6ヶ月はケージで過ごし、なっちゃんもそろそろ慣れてきたころ一緒にした。
初めての多頭飼いだが大成功!ケージで育てたのがよかったらしい。
このやり方は病院で教えてもらった。
大きなケージを買ってきて、仔猫にそこで「トイレ」「食事」「寝る」すべてさせる。
先住猫が近づいて最初は威嚇してもだんだんと
「ああ、この猫は自分より不自由なんだ・・・ここから出れないんだな」
と理解すると安心するらしい。
そして少しずつ「何もしない安心なやつ」と思わせていく。
一日のうち少しだけ仔猫をケージから出して、先住猫に近づける・・・
その時間をすこしずつ増やしていく・・・そうやって慣れさせていく。

威嚇を繰り返していたなっちゃんもとうとう6ヶ月という長い期間の訓練(?)で、
ふゆひこくんを受け入れてくれた!!

でも動物は感が強い・・・というか敏感というか。
新入り猫がきたことできっとストレスがたまってしまったんだろうか。
気が付くと、なっちゃんが何度もトイレに行っていた。
トイレを覗いてみるとジ〜〜と座っている。
いったばかりなのにまた行く。
よく見ると「ポチッ」と赤い点のようなものがトイレ砂の上に落ちていた。
病院へ連れて行く。「尿道結石ですね。しばらく通院してください」
猫は「痛い」と言えない。体で教える。
何度も私の前を横切ってトイレに行っていた。
いったいいつから痛かったんだろう・・
思えばなっちゃんは、会社の生地倉庫から外の世界を知らずに我が家へ来た「箱入り娘」。
そこに素性も知れないあらくれ男が現れて「同居しなさい」と言われたようなものだ。
この6ヶ月どんな思いで過ごしてきたのか。
きっと新入り猫は、なっちゃんにとってあんまりうれしくないことだったんだね。
ごめんね  なっちゃん・・・

仲良く外をみているなつ(左)とふゆひこ(現在)