***ねこちん第7話  赤組or白組***
***平成11年のお話***

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生後3ヶ月のちーちゃんが胃袋に入った物体と闘っているとき、
夫の実家ではミュウ探しをしていたらしい・・・
数日後ミュウが亡くなったことを弟から聞いた。
私たちが無知だったばかりに女の子みたいなかわいい名前をつけられてしまったミュウ。
もっと凛々しい「レオ」とか「○○太」とか・・・
それから「○○吉」とかそんな名前をつけてあげればよかったなぁ。
それでも最後まで男の子らしく、その辺のボスになっていたらしい。
体重7キロの真っ白い猫だったから、白熊のような風貌で、さぞ貫禄があったろう・・。
ミュウ・・・ちーちゃん元気になったよ!
命の不思議を感じた。
ありがとう・・・ミュウ




晩年のミュウ
夏の夜、暑苦しくて目を覚ますと、ふーちゃんは毛づくろいをしていた。
ペロペロ、ペロペロ・・・しつこいくらいなめている。
いつ目をさましてもなめている・・・おかしい。

嫌がるふーちゃんを無理やり捕まえて、体中をチェックしてみた。
脇の下に小さなハゲがあった。ストレスハゲかな・・・と思って
しばらく様子をみたが、だんだんハゲがオレンジ色になっていって、
グジュグジュとしてきた。
ただのハゲではないような気がする・・
ペロペロは更に激しさを増して、時々噛んだりしている。
かゆみもあるのだろう。病院へ連れて行く。
病院の先生は、丁寧に紙に書いて
ふーちゃんの病気について説明をしてくれた。
総称は自己免疫性疾患好酸球プラークという病名らしい。
白血球の中には、リンパ球などを含むいくつかの「○○球」というものがある。
その中のひとつ「好酸球」という寄生虫と闘うものが
どうも異常をきたしてるということだった。
原因は不明。治療法はステロイドー筋肉注射、抗生物質の投与、
歯石とり(舐めることによりばい菌が入ってはいけないので)
治る確率は・・50%。
家に戻ったが、先生の言われた50%という数字が頭から離れない。
その数字は高いのか、低いのか、50%・・・。
硬貨を投げて表が出る確率。
赤組と白組に分かれて、赤組になる確率。え〜と・・・。
何を考えてるんだろう。
そしてもし白組がでてしまったら、ふーちゃんはどうなるんだろう。

「え〜い」ふーちゃんを抱っこして仏壇の前に座る。
「お願いします。ふーちゃんを治してください。」
「お願いします。私が代わってもいいですから・・・。助けてください」
先生の言われたとおり薬を飲み、治療を受けた。
すぐにかゆみもおさまり、グチュグチュしていたものも乾いていった。
なめなければ、治りも早い。
あっという間に新しい毛が生えて治ってしまった。

しかし2ヵ月後、再発。今度は足の股のところに大きくできていた。
前回より大きい。ショックだった・・・。白組か・・・。
先生は「そうですか、また出ましたか・・・。2ヶ月か。
間隔が縮まらないといいんだけどなぁ」とちょっと深刻そう。
「薬の副作用で食べても食べても、痩せてしまうこともあります」と言われる。
祈るような思いで毎日を過ごす・・・あと半月、あと3日・・・。
そして2ヶ月が過ぎた。
安心していたら3ヶ月後、また再発。
今度は小さいが2個出来ている。
先生は「今回は小さいので注射はしないで様子をみましょう」と言われ、
薬だけ頂いて帰る。
こころなしか、先生の顔が明るく見える
ぜったい治る・・完治するという気持ちになってきた。
それから更に半年後に小さいハゲができるが、
前回頂いてきた軟膏を塗ったら、
すぐに治ってしまった。
あれから、4年がたとうとしている。どうやらふーちゃんは赤組だったようだ。
すごいぞ!ふーちゃん!!